出展:美容医療(コスメティック・メディスン 2009年10月号)
美容皮膚科・医療レーザー協会、ドイツ美容皮膚協会、オーストリア美容皮膚科エイジング研究所共同編纂
薄毛で健康な女性の毛髪を濃くするケイ酸ゲルの効果に関する予備的研究
執筆者所属機関:
SCIderm社臨床試験研究所
国立ハンブルク・エッペンドルフ大学病院、皮膚医学・性病学クリニック
概要
薄毛や脱毛に悩んでいる方々は、精神的なストレスを受ける場合が多く見られる。
現在、有効とされている育毛療法も限定されており、皮膚医学的に補足が必要とされている。
超微粒子化されたケイ酸ゲルは、毛髪の組成に一定の効果が期待できる成分として挙げられている。
以下の予備的臨床研究 第2局面は、薄毛(太さ100μm未満)の55名の健康な女性を対象に6ヶ月以上の
期間にわたり、1日1回スプーン1匙(15ml)のケイ酸ゲルを経口摂取させた場合の毛髪の
ボリュームの増え方を確認することにあった。
評価の対象は、顕微鏡測定による毛髪の厚みのほか、毛髪の状態、生活の質、ケイ酸ゲルの
効力と認容性の主観的評価、満足度に関しての判断に置かれた。
6ヶ月を超えるテスト期間で、毛髪の厚みは58.96±8.23mmから66.42±9.67mm(p<0.001)まで増加しました。
研究に携わった医師と被験者は、毛髪の太さに関する治療効果、毛髪の艶や健康状態につき
肯定的な報告をしている。
処方剤の認容性は非常に良いと評価された。
研究結果が示唆しているのは、ケイ酸ゲルで6ヶ月にわたり治療をした後、毛髪の太さと発育が活性化したことと、
薄毛を気にしていた被験者のストレスが減少したことである。
ケイ酸ゲルの認容性と効力は非常に良いとの評価を得た。
当研究の結果は、客観的な管理下での確証された研究として評価されるべきである。
序論
医学的観点からすると、毛髪は皮膚の付属器官である。
人間の頭皮は、平均して1平方cmに175から300本の密度で約10万本の毛髪で覆われている。
1日約0.35mmといわれる毛髪の成長率は、一定の生理学上の周期に従っており、非同時性かつ周期的な特徴を持ち、
1日でもその時間帯により、また季節により、また、人が成長期にあるか、旧識にあるかでばらつきがある。
この毛髪の周期は3段階からなっている。
すなわち、組織再生・活動成長期で、この時期は2年から6年続き、総頭髪の約80〜90%の割合を占める。
ついで、衰退の過渡期が1〜2週間続き、頭髪の1〜3%の割合を占める。
最後が休止期で、この時期は2〜4ヶ月続き頭髪の10〜20%が休止期に入る。
正常な脱毛の範囲は、1日25本から100本である。
毛髪の成長は往々にして性ホルモン(アンドロゲンおよびエストロゲン)の影響を受ける。
毛髪の周期とは無関係に、毛髪の組成には非常に大きな個人差があり、
その毛髪の平均的厚みも0.1から0.25mmの範囲で差異が見られる。
遺伝的な要因で決まる面が大きいが、毛髪の太さや厚みは、様々な要因、たとえば栄養によっても影響を受ける。
毛髪が薄い人々は、精神的なストレスにしばしば苦しみ、大多数の患者が皮膚科医やヘルスケアセンターにその治療を求めにいく。
数々の研究により、毛髪の病気が個人の生活の質に強い悪影響を及ぼすことが立証されている。
ケイ酸ゲルは結合組織を強化し、もろい爪や毛髪を保護するため、昔から経口摂取されてきた。
ケイ酸ゲルが毛髪の組成に影響を及ぼすことを指摘する藻のも多い。
しかし、これらの数多くの所見も、今日までのところ臨床実験によって確証されたものはなかった。
当研究の目的は、ケイ酸ゲルの摂取が健康体の人の毛髪を太く厚く、滑らかにする効果があり、それを臨床学的に立証が可能であるという前提で実施された。
実験に用いられたケイ酸ゲルは、純粋なミネラル製品で、添加物は一切含まない。
この製品は、ドイツでは「レホルムハウス」、「薬局」で購入が可能である。
ケイ酸ゲルは、ドイツ連邦政府医薬品・医療機器庁により「伝統的薬品/109a」に承認されている。
実験材、実験手順および被験者
当実験は探索的かつ基準グループを置かない試験研究として実施された。
当実験の被験者として登録された者は55名の成人女性で、これら全ての女性の毛髪の厚みは、顕微鏡検査の結果、100ミクロン未満かつ如何なる毛髪の病気にもかかっていないことがあらかじめ確認されている。
披見主たちは、ケイ酸ゲルを用いての6ヶ月以上の期間にわたる実験中、5回の診察を受けている。
すなわち、それらは実験初日、6週間後(42日±7日)、13週間後(91日±7日)、19週間後(134日±10日)および6ヵ月後(182日±10日)である。
13週間後と6ヵ月後の二度にわたって、一定のふるいにかけられた何人かの被験者が、実験センターに出頭を求められた。
第2回および第4回の検診(すなわち、6週間後と19週間後)の際は、被験者たちは電話でのインタビューを受けた。
実験ならびにデータの統計学的評価は、ICHガイドライン(ヘルシンキ宣言の原則に基づく、良好な臨床行為に関する指導メモ CPMP/ICH/135/95)に沿う形で行われた。
研究はドイツ薬事法 第14回改正(第40-42条)に基づいて正しく実施された。
実験の開始に先立ち、各倫理委員から、実験賛否の投票が得られた。
最初の実験 毛髪の直径としての変数(=変量)
最初の実験基準は、無作為に抽出した毛髪のサンプルの直径が、治療期間内に平均して増加することにあった。
実験開始時、3ヵ月後および6ヵ月後の3回にわたり、被験者の頭皮から、1平方センチの特定の箇所の毛髪が根元からカットされた。
60本の毛髪セットのそれぞれの平均値が、外部の公的検査機関で、集積ミクロン測定器付顕微鏡で測定された。3台の読み取り機を比較した上で正当な数値であることが確認された。
60本の毛髪セットのそれぞれの平均値が目標値と定められた。
基準グループを特に置かなかったのは、毛髪の厚みの比較可能な程度の変化は、調剤を投与しない限り、実験期間内では期待できないからであった。
第二の実験 変数(変量)と悪影響
次のような二次的な実験ターゲットの基準が評価の対象となった。
a)実験に用いた調剤の効用につき、実験立会いの医師の評価/被験者の評価
b)毛髪の状態(健康な概観、毛髪の厚み、つやのなさ、毛髪の健康、枝毛、早すぎる成長)
c)病気、生活の質的変化
d)実験に用いた調剤の認容性
毛髪の状態は、アナログ式視覚測定器(VAS)を使用して、実験の対象である被験者と実験立会いの医師の両者によって評価された。
視覚測定器の長さ10センチの平板の両端には、「0」すなわち「極端に低い」メモリと「10」すなわち「申し分ない」あるいは「非常に強い」のメモリが定められている。
またその中間には被験者自身の主観的判断による評価にしたがって印がつけられている。
実験調剤の効果についての試験に立ち会った医師の評価および被験者の評価、治療についての被験者の満足度および製品の認容性は、5段階のリカート測定器により評価された。
二度目のサンプル摂取時(42日目±7)から最終診査日まで、被験者と実験医師の両者は、全期間に渡る調剤の認容性につき、5段階測定器(1=優れている、2=良好、3=普通、4=劣る、5=非常に劣る)によって評価した。
生活の質はFLQA-ha質問表を用いて評価した。
この質問表には、毛髪の病気「7」に悩む患者の病気特有のまち包括的な生活の質に関する記録をとどめている。
これらは「体の状態」、「日常生活と仕事をしているときの状態」、「社会的なかかわりあい」および「情緒の状態」という具合に多次元の構成になっている。
くわえて、「治療の悪影響」と「満足度」の2項目は評価の独立項目として含まれた。
悪影響については別記述となっていた。
被験者は薄毛の因果関係的考え方につきインタビューを受けた。
5つの有力な命題としてのファクターを除いては、被験者は自由に追加のファクターを設ける機会を与えられた。
最終の訪問日に被験者が質問されたのは、一度試みて、その結果永続的な目に見える効果がある場合、治療に自ら喜んでいくらくらい払う用意があるかという質問であった。
統計的分析
治療の開始段階と治療の終了段階での毛髪の厚みの平均値は、被験者の中から無作為に採取し、毛髪の厚み測定器を用いて評価された(連続的なデータにおける平均・標準偏差;絶対的な数値における頻度数とその割合)。
結果
実験に携わった被験者
統計的評価は、すべてを網羅する完璧な分析手法に基づき実施された。
最終評価を行う際は、53名全員の全データがもれなく利用可能であった。
2名の被験者については、実験担当医師の診察日の後と第2回目の訪問の後、それぞれその理由を述べることなく予定より早めに実験を終わらせてしまっていた。
このため回収率は96.4%にとどまった。
被験者の平均年齢は、27.0±7.5才、平均身長は169.3センチ、平均BMIが21.2。
78.2%の女性が、常に「毛が薄い」状態、5.5%が時々「毛が薄い」ことを意識する状態、10.9%が「毛髪が変化の過程にある」と感じていると断言した。
5.5%は当質問に対し明確な回答を与えることができなかった。
5人の被験者に1人(20%)は、抜け毛に悩んでいると明言したが、この内誰も毛髪の病気にかかっている人はいなかった。また、これらの被験者の誰も、実験の開始にあたって、急性の病気にかかっているものはいなかった。
実験に携わった被験者の約4分の1(25.5%)がこれまでに何らかの毛髪の治療(鉄分のサプリメント、ケイ酸、ビオチン、ヘアトニック、パントビガール(商品名)、ヘア・コンディショニング・トリートメント、ビタミン、ヘンナ染料)を受けていた。
3人の被験者(5.6%)は、実験がスタートした段階で治療が始まっていた毛髪剤(クラスターゼ、シャンプー、グリスクア・ヘアリペアー)。
過去にどの治療が効果があったかたずねられると、次のような製品がいずれも一度はその名が挙がった。すなわち、ヘアートニック、亜鉛、ビオチン、ヘンナ染料およびアロエベラ。
実験の開始にあたって、被験者の69.1%(=38名)が髪にパーマをかけるか、カラーリンスするか、染めていた。
第1期実験での毛髪の直径の変量
実験開始時点での毛髪の平均的厚みは58.96±8.23ミクロンであったず、6ヶ月の治療期間にわたって次のように増加した(すなわち、6ヵ月後63.65±9.14ミクロン、実験の終了時66.42±9.67ミクロン)。
治療の最初の3ヶ月間の毛髪の厚みの増加は若干落ちたとはいえ、著しいことに変わりはなかった。
第2期実験での変量と悪影響
医師の立場で記録されたすべての変量を見てみると、毛髪の状態は6ヶ月以上にわたって、常に改善に向けた傾向が見られた。
とりわけ、毛髪できづいたのはこの6ヶ月間でますます髪がつややかになったことである。
この実験が終了するころには、被験者の一般的な満足度にマイナスの影響を与えていたはずの薄毛が原因の精神的ストレスも減少することとなった。
被験者自身が毛髪に感じられる変化を前向きに評価し、かつ変化を認めるにつれ、ケイ酸ゲルを毛髪に処方した影響度も、実験立会い医師および被験者自身によってますます前向きに評価されることとなった。
実験立会い医師および被験者が観察しとりわけ気づいたことは、毛髪の成長が治療に応じて加速したことである。
調剤の認容性は、被験者によって「優れている」と格付けされた。
また、6ヶ月間の期間中には、若干下方修正の傾向はあるが、ケイ酸ゲルを用いた6ヶ月の治療の後ですら、5段階測定器(評価1=優れた認容性)で、認容性は1.5±0.8で評価された。
3ヶ月後、7名の被験者達は彼らの指の爪が、ケイ酸ゲルで治療を受ける前と比べてより壊れやすくなったと述べた。
またひとりの被験者は、髪が抜け落ちていると言った。
3人の被験者は生まれて初めてインフルエンザに感染した。
またひとりの被験者は、当治療期間中一時的に下痢で苦しんだ。
これらの悪影響は、研究の終了前には例外なく消えうせた。
「指の爪が壊れやすい」という若干名の評価よりも、「指の爪を強化する上でのケイ酸ゲルの効果はどうだったか」という点に関し被験者の多くの関心が集まった。
ケイ酸ゲルの指の爪に対する効果についての被験者の主観的評価は、「中程度」の評価にとどまった(6週間後2.6±1.5、13週間後±2.7±1.4、19週間後2.3±1.5)が、治療が終了するころまでには平均で3.5(±1.3)まで評価は高まった。
この評価点は「中程度」ないしは「良好」な効果に相当する。
ケイ酸ゲルを使った治療についての被験者の満足度は「上の中」くらいの高さであり、若干上昇傾向にあった。
とりわけ治療の開始時に、被験者の大多数は、その製品(実験材)に「中程度」の満足度しか示さなかったが、実験の終了段階では被験者の大多数は「極めて高い」か、あるいは「良好な満足度」を示した(n-32名、60.3%)。
FLQAの結果は、被験者が生活の質の面で高い水準にあることを示している。
すなわち、6つの評価項目中3つの項目において改善が見られた。
因果関係の概念
大多数の被験者(70.4%)が彼らの食習慣と毛髪の厚みの関連性を認めた。
また、63.6%の被験者が一般的なプレッシャーからくるストレスと毛髪の間に関連があると思っており、さらには54.5%の被験者がこのストレスが毛髪に影響を与えると信じている。
被験者のちょうど半数の人が毛髪に影響を与える追加要素として以下を特定した。
遺伝子素因(23.6%)、ヘアートリートメント/化粧品(12.7%)、薬物治療(7.2%)。
議論
この予備的研究の目的は、ケイ酸ゲルを使った6ヶ月にわたる治療の結果として、顕微鏡を用いて確認された毛髪の厚みの増加のみならず、艶のなさ、枝毛、見た目等の毛髪のその他の質的な面での変化を立証することにあった。
ケイ酸ゲルによる6ヶ月にわたる治療をへて、髪の厚みがおおいに増えることを結果が証明している。
ケイ酸ゲルの傾向摂取をはじめて3ヶ月後で早くも毛髪の厚みに及ぼす製品の効力が明白になった。
この毛髪の厚みは3ヶ月を経過した後の期間も増え続けた。
顕微鏡で測定された毛髪の実際の厚みの状態は、実験立会い医師と被験者の双方による主観的評価で確証づけられた。
しかしながら、毛髪の厚みがどの程度増えたかの判定は、マイクロメーター測定器を使った微細な数値範囲なので、あくまでも顕微鏡による測定結果をベースとするが、これに医師の立場での主観的評価、すなわち全体の趨勢的傾向を加味する形で確認することができた。
実験立会い医師と被験者の評価によれば、とりわけ毛髪の成長が促進された。
薄毛で引き起こされる心理的ストレスや、被験者の日常の安寧に対する悪影響は減退し、社会生活、社会的緊張を解きほぐすための活動や充足感に関する評価基準では、いわゆる生活の質の面での絶え間ない改善が見られた。
被験者の治療についての満足度は、「上の中」くらいの範囲にあった。
ゲル状のものを液体と一緒に傾向摂取するというケイ酸ゲルの投与方法は、不快感を持たれた可能性はある。
ケイ酸ゲルの認容性は非常によく、主たる副作用は観察されなかった。
治療期間中繰り返し見られた壊れやすい爪の症状は、客観的管理下での臨床研究によるさらなる検討を要する。
これはおそらくは、被験者の少数グループが体験した一時的な反応であって、大多数のグループの被験者は治療の全期間を通じて、指の爪が強くなったと記述としている。
結論
ケイ酸ゲルの優れた認容性を考えれば、薄い毛髪の治療に処方のまま無制限に使用可能である。
当予備的研究の結果は、無作為かつ二重盲験法による研究の成果として得られたものであり、そこではケイ酸ゲルの効果がプラセポのそれと比較されている。